クリスチャン・ラッセンも画業40周年を迎えて、とうとう社会学の餌食になってしまったようです。

いったい芸術を楽しむのに必要な本なのか、考えてみました。

◎感性より社会学や分析論がなぜ必要なの。

質問者に答える回答者1人の個人的意見ですが、結論から言うと、芸術やアートを鑑賞して楽しむのに、わざわざ分析論を追いかける必要はありません。

その本はラッセンとは何だったのかをテーマタイトルにした本で、社会学、都市論、精神分析など、各界の論者・専門家がラッセンの生い立ちから画業までを分析し結論に迫ろうというものです。

人物分析は他にもいろいろ出版されてきましたが、純粋なラッセンファンなら、「だからどうなのよ?」というレベル。

後付の分析と考え方を並べたに過ぎません。

◎ラッセンの研究をするなら貴重な参考資料。

ラッセンに対して、自分はどう関わっていくかで、このような本を読むべきかどうかが決まります。

同じラッセンファンでも、仲間と語り合って自慢げにラッセンの深層心理までを披露したいなら読むべき。

純粋に自分の感性を磨きたいなら、“ただ見て感じ取る”を繰り返したほうが心の純度が増します。

分析とはデータの集積と後からくっつけた理屈ですから、あまり健全なものではありません。

◎アートを学問・学術に引き入れたい人たちのお遊び。

ラッセンもとうとう、そういう大人たちの餌食になったのでしょうか。

ラッセンのような若い画家が、社会学だの分析だのといった標的にされるのは珍しいことです。

このような分析本を読むのは自由ですが、その瞬間にラッセンの謎だった部分の魅力が消え失せ、ラッセンの絵を前にしても以前のような感動ができなくなるのは確かです。

私にも経験があるので。